楡の木画廊、1980
宴の後
1980、アクリル

この巻物のような絵は6畳と8畳の部屋を空っぽにして床にキャンバスを敷いてその上に座ったり,這ったりして制作しました。絵の主題について言えばそこには矛盾が含まれていました。私はダグラスDC3や50年代のキャデラックやターザンなど、いわゆるアメリカ文化というものに魅力を感じていました。が同時に戦後の困窮や混乱はかなり意識下に刷り込まれていました。
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16x2.05m

楡の木画廊、1981
大平原
1981、アクリル

この絵は朝ベッドで目覚めたところから始まり、夜にテレビのスイッチを切っておやすみなさいをするところで終わります。その間に海、大平原、砂漠、山岳、そしてさまざまな動物たちが登場します。その頃デザイナーが使っていたトレースコープという大きな器械で図鑑や雑誌の写真を合成して下書きをしました。当時はオートバイに夢中で、日本中を走り回っていました。
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21x2.05m


楡の木画廊、1982
ダンス
1982、アクリル

悪夢を見ました。破壊行為があり、頭が鶏の看護婦さんや頭が蛙のお医者さん、最後の審判、熟れた果物、年老いたご婦人、退役軍人、戦争にいけなかった私の父などが次々に登場します。
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20x2.06m

楡の木画廊、1984
タイトル
1984、アクリル

何か権威がほしいと思ったのですがいまだに何も持っていません。その頃アクリル絵の具の仕上がりに不満を感じていました。描いている最中は豊かで扱いやすくていいのですが、いったん乾いてしまうととっても平板でちょっと貧弱になってしまいます。そこで沢山メヂュームを使い厚くなるようにしました。この絵では沢山の災難を描きました。飛行機事故、溺れる子供たち、火事の現場、寒波、緊急の手術などなど。
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20x2.07m