この8年間続けて、3月から4月にかけてバリを訪れています。今回初めて、年末に行くことになりました。この春に古くからの友人加藤氏と共同でレンボンガン 島にスタジオを建てました。そこで島の子ども達に絵を教え始めました。加藤氏に「そろそろ島に行かないの?子ども達が待っているよ」と言われ、年末年始に 恒例となっている雪の長野に変えてバリ行きを決意したのでした。現地は雨季でたびたび雨に見舞われましたが、暖かく、果物に恵まれていました。
カトーは既にこの島ではよく知られていて評判も得ています。今回、島のにぎやかな通りでシュウジと子どもから呼びかけられたときには、ちょっとうれしくなりました。 横浜の友達からは「ペインティングホリデーでなくワーキングホリデーのようだね」などとからかわれますが、それでもいい気分です。そして次の訪問を思い描いています。
ありがとうございました。
Shuji
日本中の多くの人がちょっと長いゴールデンウィークを楽しんだ2005年でしたが、私の仕事の都合で今年は2泊3日のペインティングホリデーしか計画できませんでした。けれども幸運なことに好天に恵まれました。初日の朝は新幹線で長野駅に到着すると、迎えのバスでサンクゼール・ワイナリーを訪れました。ワインと昼食、その前と後には絵を描いて楽しみました。それから今度は旅館のバスに迎えに来てもらって、湯田中温泉に逗留しました。言うに及ばず、夕食の前には温泉と、また別の絵を描いて楽しみました。すべてがうまく運び皆幸せでした。
ペインティングホリデーとして長野に来るのは4回目となります。毎年いくつか新しい場所を訪れるようにしています。今年はあまり知られていない水芭蕉の穴場を見つけました。
ヨークシャーで生まれ育った友人トレバーにウィツビーに行くことを話すと、彼は色々な場所を教えてくれました。どこも私にとっては初めての場所でした。前に来たことのある場所に移動するにつれて、私の心も絵も両方とも伸び伸びしてきました。
起こるべくしてそうなったのかもしれませんが、海外の旅先で財布をなくすと困り果ててしまうものです。帰国の4日前にウォーリックからストラットフォードに帰るバスの中で財布を落としてしまったのです。意気消沈しました。まるで子どもに逆戻りしてしまったようでした。少しのお金を持ったり、クレジットカードを使うようになったり、運転免許を取ったりして大人になって来たのですが、それら全てを無くしてしまったのです。おまけに自尊心も。けれども私には絵を描くという希望が残っていました。平静を取り戻すために絵を描き続けました。妻と息子に電話で送金を頼みました。
さて無一文のトラウマからも抜け出した今、あれはきっと夏の夜の夢だったのだなと 想うようになりました。
イギリスの多くの友達、私の家族、そして絵画、それらみんなの助けにとても感謝しています。
レンボガン島はバリ本島の南西沖にある小さな島です。そこの白い砂とゆっくりとした生活のペースと信心深い住民とで評判が高いところです。私の古くからの親友、加藤と私はこの四月にこの島にスタジオを建てました。私たちはお坊さんとガムランの音楽隊を呼んで、スタジオ開きのお祝いの儀式をしました。それに引き続き、4回の水彩画のデモンストレーションとワークショップをしました。この島で20人の子どもに絵を教えました。彼らがとても好きになりました。
ありがとう
収二
私には絵を描くことより絵の説明文を書くことのほうにてこずります。絵は本能的に描いて、それで自己満足しているのです。だけども後でその絵について文を書こうとすると日本語でさえ言葉がなかなか思い浮かびません。陳腐な言葉を何度も使いまわしているようです。そのわけをちょっと考えてみると、このごろだいたい月並みな風景を繰り返し描いていたのです。無自覚に。どこか知らない場所に行きたいものです。それがかなわなくても、慣れ親しんだところでも目の付け所を変えてみるようにしたいものです。
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