バリでの最後の絵をクスマビーチに並ぶビーチチェアーの最前列から描きました。私の隣には、初老のオーストリア人(こちらに大勢いるオーストラリア人ではない)と現地妻、彼らの子供、そして犬がいました。彼は11年前に初めてやってきてそれからずっとここに滞在していると言うことでした。私たちは皆、沈み行く夕日を味わっていました。
翌朝私たちは成田空港で手荷物を受け取る混雑の中にいました。隣には母親とその子供たちがいました。子供は彼女にまとわり付いてとてもうるさかったのですが、彼女は息子の頬をひっぱたきました。バリではそんな出来事に出会ったことがありません。
春は絵を描くには寒すぎました。と言うのが、今年2度目となる英国旅行のための言い訳でした。今回は、私のマイルを使って航空券を手に入れてその代わりにロンドンでの初めの2泊と最後の1泊のツイン・ルーム代金を負担した兄と一緒の行き帰りでした。その兄はロンドンからポルトガル、スペイン、イタリアと巡ってまたロンドンに戻ってきて私と合流しました。私が今回の目的地をシェットランド諸島と決めたのは出発のほんの数日前のことでした。日本であちこち旅した果てに礼文島や利尻島に行ったのと同じような決め方でした。この夏の英国での最初の絵を描きながらそんなことを考えていました。
息子が大学の寮に引っ越す前のこの春休みに、バリ島へ一緒に行かないかと誘ってみました。彼はイギリスだったら一緒に行っても良いと答えました。 私たちは倹約を心掛けました。初めのロンドン2泊は地下鉄のグローセスター通り駅近くのボーイスカウトの宿泊施設に、そして終わりの2泊はセント・パンクラス駅近くのユースホステルに泊まりました。その間はトーキーへの年金生活者が中心の格安バスツアーに参加し、続けて日本で前もって買っておいた、手ごろで利用価値の高いブリット・レール・パスを利用して旅しました。
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